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BCP策定時についつい見落としてしまう項目、論点について②~利害関係者のニーズと期待の理解 法令及び規制の要求事項~

静岡県BCPモデルプラン『3.01 重要業務を決める』では現状の事業・業務の現状分析、状況を確認するためのもので、ここで業務停止による影響などを検討するツールではありません。しかし敢えてこのツールの使用について枠を広げてみようというのが今回の試みになります。


前回重要業務の選定について静岡県BCPモデルプランを使って考察しましたが、部署別の責任者からすれば『うちの業務は会社にとって大事だよ』という意識があるのは当たり前です。

また取引先別業務から重要業務を選定する場合、売上や利益、取引先との状況、市場シェアが重要になると思いますが、社会的影響・批判、ブランド価値、品質レベルなどは売り上げや利益などと相反するケースも出てきます。また営業担当者からも『うちの取引先の方が重要だ』と反発も起こります。


そこで本来、この重要業務を選定する前に行うことがあります。それが『利害関係者のニーズ及び期待の理解』『法令及び規制の要求事項』についてです。

重要業務を選定するために定量化で判断するにはアプローチの段階がいきなりすぎて利害関係者のニーズや要求事項等を正確に把握して検討できるのかという点で難しいと思います。


例えば自治体行政と災害協定を結んでいる建設業者の場合、地震などの大規模災害が発生した際には災害協定に則り、災害応急復旧に従事することが求められます(社会的要請)。それに対して現在、施工中の工事の復旧(公共・民間)もありますが、どちらも重要な業務であることは間違いありません。また会社が元請であるのか、下請業者であるのかによっても判断する立ち位置が変わります。元請であれば建設業協会を通じて自治体行政からの災害協定要請を無下にすることは難しいでしょうし、下請業者でもお世話になっている元請業者からの要請であれば、対応せざるを得ないでしょう。

また法令や規制(自社ルールも含めて)に対して、震災があったからと言って現行法の枠を超えた対応が認められるというわけではありません。


こういった自社の業務に関係する事情や背景、経営環境や立ち位置(ポジション)を先に把握しておかなければ、定量化して判断する際の判断要因項目や重要性を見逃すことになります。


さらに災害協定で発生する災害応急復旧工事は必ずしも履行しなければならないものではありませんが、災害時に発生する『重要業務』であり、判断をしなければならない対象になるので、この点も見落とさないようにしなければなりません。


静岡県BCPモデルプラン 重要業務の選定
重要業務を選定する前に見落としがちなこと

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