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BCP策定時についつい見落としてしまう項目、論点について⑪~目標復旧時間・レベルの検討~

静岡県BCPモデルプラン【様式4】目標復旧時間・レベルの検討では事業影響度分析の一つである目標復旧時間と目標復旧レベルの検討を行いますが、実際に【様式4】目標復旧時間・レベルの検討をどのように解釈して使用すればよいかを確認しましょう。


前回は静岡県BCPモデルプランのガイドラインと出典元である

から目標復旧時間・レベルについて考察しました。

今回は続きとして中小企業BCPステップアップ・ガイド(4.0版)2-5ページにあります『3.留意事項』を確認します。

3 留意事項 この段階の作業の目的は、次のステップ以降に必要となる、貴社の事業の災害・事故対応のメリハリをつけるための準備です。したがって、多大な作業をする必要はなく、社内である程度 直感的な議論の整理を行う程度でも結構です。 なお、例えば、社屋が倒壊するかどうかにより、設備被害が修理・調整で済むのか、再調達が 不可避になるかが決まり、それにより目標復旧時間は変わるでしょう。前者の場合1~数週間で の復旧が目標となり、在庫も考慮した日数を争う問題となります。一方、後者の場合、数ヵ月単 位の復旧となり、いつまでに復旧すれば取引先が戻ってくるかが考慮の中心となります。そこで、 2段階の被害想定をし、2段階の目標復旧時間を考える必要があるかもしれません。

上記の解説では災害を特定した被害想定から考えるのではなく、結果起きてしまったこと、

結果事象からアプローチする考えになります。

例:社屋の倒壊による 

  →設備被害が修理・調整で済むのか(前者)…目標復旧時間 1~数週間

  →再調達が不可避(後者)…目標復旧時間 数か月単位


そのため実際に業務が止まってしまう結果事象を想定し、その結果事象に対して

①現段階の対策で可能と思われる復旧時間・レベル

 修理・調整 1~数週間

 再調達   数か月

②今後実施する対策による復旧時間の短縮・復旧レベルの向上の見込み

 再委託先の確保

 設備の調達により可能

③目標復旧時間・レベル(経営判断による)

 1週間・平時の70%

というような設定になります。


この結果事象という考え方は次回以降に出てくる業務に関わる経営資源を検証する際にも関わることになります。また被災状況確認を行う際にも経営資源がどのような状態であるかを判定する際にも使用することができます。

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