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BCP策定時についつい見落としてしまう項目、論点について⑫~重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度~

静岡県BCPモデルプラン【様式5】重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度では業務の流れ(フロー 工程)で使用される経営資源について確認を行い、その経営資源が事業継続に与える影響と再調達の難しさについて検証を行います。ここで検証を行う『事業継続への影響度合い』についてどのように解釈して使用すればよいかを考察しましょう。


『事業継続への影響度合い』の考察
静岡県BCPモデルプラン【様式5】重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度

まず静岡県BCPモデルプラン ガイドラインでは

①社内の業務の流れを整理する

②仕入先や下請け先、物流業者など外部とのつながりを加える

③各段階で不可欠となるヒト、モノ、カネ情報といった要素・資源を洗い出す

とあります。

経営分析を行う上で基本となる情報であり、業務の構成要素を確認するうえで大事な作業となります。ISO9001:2015に取り組んでいる企業であれば、品質管理図などを参考にするとよいと思います。

図表5 にありますように各業務の手順・工程における内・外の経営資源を確認するとインフラも依存するところが大きく、欠かせない資源となります。平時の業務は社会インフラの上に成り立っているということを忘れないようにします。また有形資産だけではなく無形資産にもちゃんと着目しなければなりません。技術者が持つ技術、知識やノウハウ、経験年数、組織として保存管理している情報もそうですが、特許や資格・免許、設立年数なども無形資産と言えます。これまで気づいてきた取引先との信頼やブランド、販路といったものも無形資産に含まれます。

依存先という枠に収まらないですが、事業・業務を行う上で関連する事業者(各種士業、保険代理店、メンテナンス業者、産廃業者、消防設備管理業者、通信ネットワーク等)や行政・自治体、地域社会についても自社の業務を支える関連先であり、自社が事業を行えている環境であることも忘れてはいけません。


それでは『事業継続への影響度合い』についてですが、業務を行ううえで必要な経営資源・構成要素を整理した後、それらの資源が業務手順・工程上でその機能を失う、もしくは平時の業務を行うために最低必要な状態を下回った場合を想定します。

ここで製造業の量産ラインを例にして考えますと、平時の稼働では人員が5名が必要な作業の場合、一人一人の能力も考慮して日産(1日当たりの生産高)500個の部品を5時間労働で生産しているとします。一人当たり100個(1時間当たり20個)ですが、少し余裕のなる生産量として設定しています。ここで1名が病欠した場合、普段の余裕なく一人125個(1時間当たり25個がMAX)生産することで間に合いますが、3人になってしまった場合375個になりますので、残り125個を3人で1.7時間残業して500個の生産となります。

日産500個 1名あたり100個/5時間×5人=500個

1名あたり5時間での生産の限界値が125個/5時間

4名であれば 1名あたり125個/5時間×4名=500個

3名の場合、通常稼働5時間(3名×125個=375個)+1.67時間(3名×25個/時間×1.67時間=125個)で達成


ある程度納期調整ができるのであれば後日メンバーがそろった時点で頑張ればなんとかなるというケースもありますが、納期設定が厳しい取引先もありますので、そう言った事情も含めて影響度合いを検討することが必要になります。こういった時に代替生産できる人員がいるのか、またその代替人員で品質を保持してできる作業なのか、なども検証することで平時における自社の課題なども見つけることができます。

この経営資源が与える『重要業務への影響度合い』についてはいろいろと考察すべきところが多いので、数回に分けて解説していきます。


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