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BCP策定時についつい見落としてしまう項目、論点について⑬~重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度~

静岡県BCPモデルプラン【様式5】重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度では業務の流れ(フロー 工程)で使用される経営資源について確認を行い、その経営資源が事業継続に与える影響と再調達の難しさについて検証を行います。ここで検証を行う『事業継続への影響度合い』についてどのように解釈して使用すればよいかを考察しましょう。


『事業継続への影響度合い』の考察
静岡県BCPモデルプラン【様式5】重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度

BCP策定時についつい見落としてしまう項目、論点について⑫では重要業務に使用される経営資源(有形・無形、社会インフラ、関連業者や行政・自治体、地域社会などについても検証する必要があることを述べました。また影響度合いを検証するために経営資源が機能を失う、最低限必要な状態を下回った場合について想定することについて触れました。

今回はこれら以外にも経営資源が与える『重要業務への影響度合い』について考察していきたいと思います。


まず業務・作業を行う上で必要な経営資源別にみてみましょう。

『ヒト』

人についてですが、前回⑫では例として量産製品の生産について稼働人員の能力をもとに顧客(取引先)の要求事項である生産量をクリアするうえで必要な人員数、それ以外に技術や経験が必要であることを解説しました。このこと以外にも『ヒト』資源に関して影響度合いを判断する項目として

1.知識(個人)…業務に関わる知識

2.適正(個人)…性格的に合っているか

3.身体的条件(個人)…年齢や体力、視覚等の衰えで業務・作業に支障がないか

4.資格・免許(個人)…業務・作業を行う上で法的な(規則等含む)縛りがないか

といったところが少なからず関係してきます。


しかしながら決定的に『影響度合い』として問題になるのは属人的な要素が強く、専業と化している業務・作業になります。中小零細企業の場合、社員個人の能力で行える業務・作業が多く存在しており、そう簡単には代替ができないケースもあります。『10年経験してやっと一人前』という職人技で業務が成り立っていたり、生産している製品がローテク過ぎて若い人材では担い手がいない技術などでは職人や技術者の高齢化が進み、また技術の継承もままならないケースもあります。

こういった視点で見ると『重要業務への影響度合い』が稼働人員数の問題ではないことがわかります。


次回は『モノ』について考察します。



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