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BCP策定時についつい見落としてしまう項目、論点について⑭~重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度~

静岡県BCPモデルプラン【様式5】重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度では業務の流れ(フロー 工程)で使用される経営資源について確認を行い、その経営資源が事業継続に与える影響と再調達の難しさについて検証を行います。ここで検証を行う『事業継続への影響度合い』についてどのように解釈して使用すればよいかを考察しましょう。前回は重要な経営資源である『ヒト』について触れましたが、今回は『モノ』が与える『重要業務への影響度合い』について考察していきたいと思います。


『事業継続への影響度合い』の考察
静岡県BCPモデルプラン【様式5】重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度

まず上記【様式5】では重要業務毎に要素・資源のカテゴリーを設けて記載することとなっています。また『必要な人数・数量等』で最低限必要な資源を検討するようにできています。これらを踏まえてこのシートについて考察します。


『モノ』*今回は例として製造業をイメージします

経営震源に関わる『モノ』ですが、種類や用途が数多くありますので、まずは分類していきます。

1.経営環境に関わる『モノ』

  社内:建物・敷地・外溝・地下埋設物・建物付属設備・屋外設備

  社外:インフラ(電気・上下水道・ガス)設備・道路・通信設備

2.製造・サービス提供に関わる『モノ』

  社内:生産設備・機械・治具・検査機器・空調設備・道具類・事務機器・通信機器・その他設備

  社外:原材料・部品・製品・消費材


事業活動を行うための『モノ』を検討するとインフラや建物という大きな『モノ』から小さな道具に至るまで、様々な『モノ』が見つかります。これらが業務・作業の各フェーズにどのように使用されているかを明確にすることが重要な作業になります。


それではそれぞれの『モノ』資源に対する事業継続への影響度合いについて考察します。

例として挙げています製造業であれば、建物施設(建物・建物付属設備・屋外設備等)内で生産するための環境を維持できる状況でなければならないという条件があります。食品製造業や医薬品製造、半導体部品等を生産しているのであれば求められる生産環境はかなり厳しい条件が課せられています。汚染された外気との接触、空気中の塵等の数まで制限されているのであれば、建物施設内の生産環境に少しでもダメージがあれば、これまでの環境を維持して生産することが難しくなる可能性があります。


このことから建物施設について検討する際に、行っている業務・作業からどの程度の環境を維持することが求められるか、その環境下で生産した製品の品質レベルを顧客の要求に応えられる品質レベルを保持することができるかという基準で判断することが重要です。


こういった『モノ』資源に対してそれぞれの判断基準としてどのような視点が必要かを検討して事業継続への影響度合いを検討する必要があります。


次回も『モノ』資源について考察します。



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