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BCP策定時についつい見落としてしまう項目、論点について⑮~重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度~

静岡県BCPモデルプラン【様式5】重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度では業務の流れ(フロー 工程)で使用される経営資源について確認を行い、その経営資源が事業継続に与える影響と再調達の難しさについて検証を行います。ここで検証を行う『事業継続への影響度合い』についてどのように解釈して使用すればよいかを考察しましょう。前回は重要な経営資源である『モノ』について触れましたが、今回も『モノ』が与える『重要業務への影響度合い』について考察していきたいと思います。


『事業継続への影響度合い』の考察
静岡県BCPモデルプラン【様式5】重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度

まず上記【様式5】では重要業務毎に要素・資源のカテゴリーを設けて記載することとなっています。また『必要な人数・数量等』で最低限必要な資源を検討するようにできています。これらを踏まえてこのシートについて考察します。


『モノ』*今回も例として製造業をイメージします

前回は建物施設に関して考察しました。業務・作業を行う上で建物に求められる必要条件として事業内容によって厳しい条件で判断しなければならないことを書きました。


今回は少し視点を変えて、外部依存性の高い『モノ』資源について考察します。

外部依存性が高いということは供給が止まってしまうとたちまち業務が止まってしまう可能性があります。

原材料や部品は在庫があればその分、生産を行うことができますが、そうではない『モノ』として電気や上下水道、通信、道路といったインフラは地域社会の復興とともに改善していくことになります。

この点をあまり深く検証しないで事業継続を考えることは難しいことから、事業継続の最大のボトルネックはインフラであると言えるでしょう。


ちなみにリスクアセスメントの段階で改めて紹介しますが、静岡県第4次地震被害想定では県内の各自治体別にインフラ等の復旧について想定があります。発生する地震によってはこの想定も変わってくることを念頭に参考として考えることが重要です。


ここでは事業継続への影響度合いということで各インフラがどのような状況である場合、影響度合いがどの程度発生するかを検証します。

例として電力供給について考えますと、食品製造業であれば生産機械はもちろん、原材料を保管している冷凍冷蔵庫なども稼働しなくなり、原材料が腐ってしまう可能性が高くなります。原材料によっては適切な温度管理が行われていないというだけで廃棄処分にされてしまうものもあります。

平時ではあまり気にしていないことですが、そういった原材料を扱っているということは経営上、非常にリスクの高い事業であると言えます。

他にも高額な電子部品などでも適切な温度管理をしなければならない部品もあって、保管場所の空調設定の状態によっては使用不可となるケースもあります。

そのため、電力供給を切らさないようにすることが求められますが、冷凍冷蔵庫や全館空調で温度管理を行っている建物施設などが使用する電力量は非常に大きいことから、通常の発電機ではとても対応できません。こういった場合の事前対策としてはこれから検討するとして、停電がどの程度続くことで事業継続への影響度合いを判断していきましょう。


次回も『モノ』資源について考察します。



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