top of page

BCP策定時についつい見落としてしまう項目、論点について⑱~重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度~

静岡県BCPモデルプラン【様式5】重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度では業務の流れ(フロー 工程)で使用される経営資源について確認を行い、その経営資源が事業継続に与える影響と再調達の難しさについて検証を行います。ここで検証を行う『事業継続への影響度合い』についてどのように解釈して使用すればよいかを考察しましょう。前回は重要な経営資源である『モノ』について触れましたが、今回は『カネ』が与える『重要業務への影響度合い』について考察していきたいと思います。


『事業継続への影響度合い』の考察
静岡県BCPモデルプラン【様式5】重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度

まず上記【様式5】では重要業務毎に要素・資源のカテゴリーを設けて記載することとなっています。また『必要な人数・数量等』で最低限必要な資源を検討するようにできています。これらを踏まえてこのシートについて考察します。


『カネ』

今回は経営資源の『カネ』について考察したいと思います。

重要業務における『カネ』はその業務を行う上で必要となる①経費(人件費、光熱費、原材料費、メンテナンス費等)と生産環境や生産設備などの②費用(建物建設費用・機械設備等)を指しますが、これらが与える『事業継続への影響度合い』とはどういうことでしょうか。


この『カネ』に関する定義は残念ながら静岡県BCPモデルプラン 第3版、NPO法人事業継続推進機構「中小企業BCPステップアップ・ガイド」(4.0 版)2-11にも詳しくは書かれていません。

ということでISO22313:2014で記載されている『カネ』に関する指針を参照します。


ISO22313:2014 8.2.2事業影響度分析 b)4)財政的実行可能性の低下
注記1 事業活動の中断・阻害は間接的に、製品及びサービスの提供に支障を来すことがあり得る。例えば、サプライヤへの支払い能力が失われると、組織の評判が損なわれて、その結果、サプライヤが商品の供給を拒み、これによって、製品の製造またはサービスの提供が妨げられる。

この指針の記述から財政的(財務的?)実行可能性(フィジビリティ)として解釈することができます。財務的フィジビリティと解釈して事業影響度分析で言われている『カネ』を考察するとやはり『コスト』のことであり、また注記1の例からその『支払い能力が失われると…』とありますので、業務を行う上でどの程度の経費が掛かっているかを明らかにすることになります。


まず①経費についてですが、月にどのくらいの経費がそれぞれの経費項目ごとで発生しているかはすぐにわかると思います。この経費を自社の内部留保と融資でどの程度まかなっていけるかは経営者であれば日々頭から離れないのではないでしょうか。

次に②費用についてですが、事業環境を構築するために投じた費用がどの程度かかっているかもわかりやすいと思います。『あの機械は高かったのに、いまいち稼働が悪くて儲かってないな』とか思っている経営者もいると思います。

これらの経費・費用に関する情報を業務・作業工程でどのくらいあるのかを明らかにすることで、事業継続への影響度合いを検討する判断材料とすることができます。ISO22313に書かれているように財政的実行可能性の低下が起こってしまうのは、事業が中断してしまってどのくらいの期間であるかを確認することで目標復旧時間を再検討することができます。

また費用から建物や生産機械・設備を再購入しなければならない場合にどの程度の出費が発生するかを確認することで財政的実行可能性を検討することができます。

Comentarios


過去投稿記事
Archive
Search By Tags
Follow Us
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page