BCP策定時についつい見落としてしまう項目、論点について⑳~重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度~
静岡県BCPモデルプラン【様式5】重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度では業務の流れ(フロー 工程)で使用される経営資源について確認を行い、その経営資源が事業継続に与える影響と再調達の難しさについて検証を行います。ここで検証を行う『事業継続への影響度合い』についてどのように解釈して使用すればよいかを考察しましょう。今回は『情報』が与える『重要業務への影響度合い』について考察していきたいと思います。
『情報』
今回は経営資源の『情報』について考察したいと思います。
情報とひとくくりで言っても事業に関する情報はこれまで紹介した『ヒト』『モノ』『カネ』にも関わることもありますし、また外部資源と言ってもいい取引先や関係先、地域社会などに関する情報もあると思います。また有形・無形資産に関する情報(項目)にも分類され、非常に多岐にわたります。これらが重要業務の業務・作業の過程・工程とどのように関与しているのか、失ってはいけない情報であるのかを確認していく作業になります。
例として静岡県BCPモデルプラン・ガイドラインにある 図表5 『重要業務の手順、依存関係のフロー図(イメージ)』で考察します。この図では①注文 ②製造工程 ③組立工程 ④検査・出荷 ⑤配送 ⑥請求支払といった業務の流れがあります。
まず①注文ですが、ここで関与している営業担当が取引先からの注文を受発注システムに注文内容を入力、その情報から調達担当が 部品1 原料1 原料2を発注、調達担当から集荷部門にその発注品が納品されるという情報を受け渡して集荷部門が受け入れを行うという流れに見えます。
ここで関わる情報としては以下の項目になります。
1.営業担当が持っている取引先情報
2.取引先から受注した製品情報
3.取引成立となる見積もりや注文書(受注内容)
4.受発注システムのID/PW 取説・マニュアル 導入・保守に関係するシステム会社
5.製品構成情報 部品情報
6.在庫情報
7.部品・原料の調達先情報 担当者 部品のディスコン・代替部品の情報
8.部品・原料価格の情報
9.部品・原料の入荷情報
といったところがこの①注文の時点で必要になる情報だと思います。
他にも営業担当者個人の情報(経歴・経験・スキル・個人情報)や製品・部品等の関わる特許技術、
原料の法的規制なども含まれると言えます。
ここで有形・無形資産としてこれらの情報を分類すると
有形資産
1.2.5。6。7.8.9.
無形資産
3.4.
と分けられるのではないでしょうか。
一つの工程でこれだけの情報がありますが、これらの情報は次の工程にも引き継がれ、関係する情報となります。
次回も『情報』について考察していきます。
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