BCP策定時についつい見落としてしまう項目、論点について⑥~重要業務の選定 まとめ~
*静岡県BCPモデルプラン『3.01 重要業務を決める』では現状の事業・業務の現状分析、状況を確認するためのもので、ここで業務停止による影響などを検討するツールではありません。しかし敢えてこのツールの使用について枠を広げてみようというのが今回の試みになります。
これまで取り上げてきた静岡県BCPモデルプラン【様式3】重要業務の選定について考察をまとめていきます。
判断要因
1.利益への影響
利益への影響という言葉の定義としては売上に対する利益がどの程度出ているかになりますので、
ここでは選定した重要業務の利益金額もしくは利益率、または全体の利益に対する割合などが適当かと
思われます。その利益がどの期間に設定するかは策定する企業にお任せですが、1年であったり3か月、1か月
といった設定でもよいと思われます。
ここでの基準を定義するならば
・利益金額
・利益率
・全体利益に占める割合
・期間(任意)
を決めることになります。
2.売上への影響
売上への影響も利益と同様に重要業務の売上金額もしくは全体に占める売上割合になると思われます。
また判断する期間も1年、3か月、1ヶ月と任意で設定することとなります。
ここでの基準を定義するならば
・売上高金額
・全体売り上げに占める割合
・期間(任意)
を決めることとなります。
3.資金繰り
資金繰りでは単純にお金の出入りが大きいか、赤字化しやすいかどうかで判断するのがよいかと思われます。
ほかにも赤字化が大きくなってしまう可能性で判断することも可能だと思います。
期間も任意で経時的に比較するのもよろしいかと思います。
4.得意先との関係
得意先との関係性を定量的・定性的に判断することは難しいですが、あえてその判断基準を挙げるならば
1.取引年数の長さ
2.取引における信頼
3.製品が取引先に与える影響
4.製品の将来性
といったことになる思います。*ほかにも判断する材料はあると思います。
これらを複合的に判断して決定することになりますが、最終的には自社事業・業務にとって取引先が戦略上、
どういう位置づけにあるかでまとめることになると思われます。
5.社会的影響・批判
対外的な価値を判断するための項目をまとめてみると
1.ブランド(社会的認知度・イメージ)
2.市場シェア(全国、地域、製品別等)
3.取引先への影響(これは『取引先との関係』で検証している)
4.市場・消費者への必要性(日常生活用品、嗜好品等)
5.市場・消費者への緊急度(日常的に使用する製品、生命や財産を維持するための製品・サービス等)
6.販売手法(販売に関わる利害関係者について 等)
が挙げられると思います。*当然ほかにも判断する項目はあると思います。
これらを複合的に判断して決定することになりますが、最終的には自社及び自社事業・業務、
製品・サービスが市場や取引先にとってどのような価値を提供しているのか?でまとめるとよいと
思われます。
これら上記の判断基準以外にも自社特有もしくは業界、業種業態、地域性等でも判断要因はあると思われます。
重要業務の選定はいわゆる経営分析の入り口であって、また一部でしかありませんが、組織(会社)の状況とその理解を進めるうえで必要な分析と言えるでしょう。
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