BCP策定時についつい見落としてしまう項目、論点について22~重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度~
静岡県BCPモデルプラン【様式5】重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度では業務の流れ(フロー 工程)で使用される経営資源について確認を行い、その経営資源が事業継続に与える影響と再調達の難しさについて検証を行います。ここで検証を行う『事業継続への影響度合い』についてどのように解釈して使用すればよいかを考察しましょう。今回は『外部資源』が与える『重要業務への影響度合い』について考察していきたいと思います。
『外部資源』
今回は経営資源の『外部資源』について考察したいと思います。
前回までは『ヒト』『モノ』『カネ』『情報』といった社内資源に関する考察を行ってきました。今回取り上げる『外部資源』とは取引先や関係先、地域社会などをまとめて定義しています。この定義に違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、私自身の定義と解釈していただきます。
そこで外部資源について解説しますと、自社以外の利害関係者として以下の関係先が挙げられると思います。
・市場、顧客、製造・サービス提供先
・仕入れ先(原材料・事業・業務に必要な資機材等)
・保守・メンテナンス(事業環境・業務用設備・機器等、産廃事業者)
・支援事業者(士業・支援機関等)
・金融機関(銀行・保険代理店等)
・行政(国・自治体)
・地域社会(住民、マスコミ)
・インフラ事業者
といったところが事業環境や事業に関わる必要な資源を提供してくれる関係者となります。
これらを『外部資源』とさせていただきます。
これらの『外部資源』の状況によっては事業の継続に大きく影響を及ぼすことから『重要業務への影響度合い』を検討することになります。それではどのような影響があるかを考察します。
市場、顧客、製造・サービス提供先…
事業を行う上で売上や利益を得るために必要な取引先。需要と供給の関係として信頼関係の構築が重要となる。
ここでは取引先の需要と信用を基準として判断することができます。取引先からの需要が低下することの理由としてはエンドユーザー(最終消費者)から商品やサービスへの信頼や魅力、必要性等が低下することで発生します。そのため製品・サービスの品質・機能向上や価格の適切な設定などの改善が必要です。また取引先からの製品・サービスへの信頼性低下も需要の低下を招く原因と言えます。単純に製品・サービスに対する信頼ではなく、取引先企業としての価値、社内体制や将来性なども関係してきます。これらを踏まえて取引先との関係をまずは判断することとします。また当然ながら売り上げ規模や自社における売り上げシェア、利益なども関係します。
これらのことはすでに『BCP策定時についつい見落としてしまう項目、論点について③~重要業務の選定 定量的比較~』でも取り上げていますので、ご参照ください。
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