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BCP策定時についつい見落としてしまう項目、論点について27~重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度~

静岡県BCPモデルプラン【様式5】重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度では業務の流れ(フロー 工程)で使用される経営資源について確認を行い、その経営資源が事業継続に与える影響と再調達の難しさについて検証を行います。ここで検証を行う『事業継続への影響度合い』についてどのように解釈して使用すればよいかを考察しましょう。今回は『再調達困難度』について考察していきたいと思います。


『事業継続への影響度合い』の考察
静岡県BCPモデルプラン【様式5】重要業務の継続に必要な要素・資源と再調達困難度

『再調達困難度』

今回は経営資源の『再調達困難度』について考察したいと思います。

『ヒト』『モノ』『カネ』『情報』『外部資源』となる取引先や関係先、地域社会などは一度失われると新しく代替したり調達することに時間や労力、予算を費やすこともあり、また二度と同じものが手に入らない資源もあります。これら経営資源を再調達する上での課題や問題点が困難度の判断基準になります。

その課題や問題点は以下のような項目に分けられます。

①再調達するためにかかる時間(調査、検討、交渉等を含む)

②再調達するためにかかる労力(調査、検討、交渉等を含む)

③再調達するためにかかる予算(調査、検討、交渉等を含む)

④製造・サービスの再現性(代替調達した資源を使用して製造・サービスの再現の実現可能性

品質の維持(代替調達した資源を使用して製造・サービスの品質を維持するための時間や労力、予算、品質維持に関わるノウハウの蓄積等による実現可能性

⑥再調達(代替)された資源が法令、規則・ルール等の基準を満たしているか

⑦そもそも再調達(代替)ができない

他にも考慮する点はあると思いますが、これらの項目を判断基準として評価を行うこととします。


それではこれらの項目についてどのように評価基準を検討し、共有するかを考察しましょう。

まず再調達する資源が1.汎用性のあるものか、特別(特注)で希少性のあるものかが問われます。

またその資源を構成するものが2.単純であるか複雑であるかも判断することになります。

さらにその資源の3.入手先の状況によってもその再調達の可能性が変わってきます。

例えば製品・サービスを提供するために欠かせない機械設備として透析病院で使用されている透析用監視装置で考えると、

1.透析監視装置は性能や機能の違いはあるものの、製品基準がしっかりと決められていること

  から汎用性が維持されている製品と言える。

2.基準を維持するために使用・構成されている部品や製造環境、品質レベルは複雑である。

3.入手先は特定のメーカー数社による市場となっており、取扱商社も限られている

といった状況がわかりました。


これらの状況を踏まえ

上記①~⑦について考察すると

①時間…汎用性であることから調査・検討には時間がかからないが、製品の複雑性から再調達には時間がかかる可能性がある。またメーカーは限られており、希望する機能や性能を有する機器の選択には時間がかからない

②労力…機器の選択、発注については専門的な知識を有する者が判断するだけでよい

③予算…購入金額が経営上大きな負担にならない

④再現性…導入後はこれまでと同様に機器を使用できる。入手性として限られたメーカーや商社での扱いから売り手側の状況に左右されやすい。

⑤品質…導入後、機器の使用方法等の練度、経験について時間をかけながら定着するまで監視する必要がある

⑥法令・規則…医療機器としての基準をクリアした機器である

⑦再調達の可否…可能

と判断できます。


これらの判断基準と現状を照らし合わせて評価を行うことで総合的な判断を行うことが望ましいと思われます。

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